New World

いつも真面目に狂ったフリをして
いつか誰かが僕に気付くまで
そしてどこかで君が立ってたら
きっと何かを話すだろう
だけど今日も世界は廻るから
もっと静かな時を待とう

あの娘に惚れた人の数だけ幸せが
消えて無くなっていくというのに
冬が嫌いだよと着込んだコートの厚みだけ
微笑みが増えている
何故生まれてきたのと言われても
僕はただ眉を曲げて考え込むフリをする
今は何も話したくない気分だった
今はまだ何も話せる気がしなかった

地下鉄に揺られて 辿り着いた街で光を浴びた
知っているんだろう 君の踵が答えてくれた
もう帰ろうか
重い瞼閉じて 明日目が覚めたら
新世界かなぁ…。

そこで言葉を濁してしまった
そんな苦悩が今日も続いてた
そしてどこかで君が立ってたら
ちょっと悲しい夢なのに
どんな世界も必ず廻るから
だからこのまま耳を澄ましていよう

昔に別れた人の数だけ新しい雨が
降ってきた歴史の中で
悪い風邪が流行る季節の折り目に
一人だけ出会う人がいればいい
見たことのないはずの人なのに
僕の友達は笑って話しかけるマネをする
たまに彼はおかしくなってしまうんだ
ただそれだけのことだから別にいいんだ

物置で見つけた赤茶色の猿が僕らに告げた
“怖がっているのなら 拒むことだって答えなんじゃない?”
ーーーでも逃げられない
厚い扉叩く音が 五月蝿く媚びてるってのは
なんなんだーーーー⁉︎

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14歳の時に初めて書いた詩です。
詩というか当時は歌詞のつもりで書きました。
素晴らしい作詞家たちに影響されて、作曲なんて出来ないのに言葉を綴りたい衝動に駆られて、勢いで書き上げた処女作です。

草野マサムネチバユウスケさん、宮本浩次スガシカオ岸田繁椎名林檎志村正彦、他たくさん…。

学校で人間関係が上手くいってなかった14歳の僕は、保健室のベッドの中で、彼らの音楽とともに歌詞にも夢中になり、素晴らしい言葉たちにイマジネイションを膨らませました。

この詩は、音楽や言葉への憧れや情熱、
現実世界での鬱屈、疎外感、怒り、嫉妬、悲しみ、
自分に対する失望、内省、といった様々な感情を内包した、初期衝動によって作り上げられた詩です。

こんな詩はもう書けない気がするけど、原点として大事にしたい作品です。