秘密

いつかの思い違いが今日の日まで
溶けないで、忘れてないで、凍りついてもいないで
生温かい肌で湿ってた
あなたが夏の傘を開くのを見ていたくて
子どものはしゃぐ声のする緑の坂で 小さく座ってた
自転車のベルとあなたの知らない曲のアラーム、
鳴り止まない檸檬色のテーマ
誰にも教えないよ 文字の風景を切り裂いちゃうから
世界にわたしはひとりきり

あなたの歩幅に約束を感じられたら
そのとき、わたしの薔薇がようやく赤く染まるのです
青いまま、わたしが赤く染まるのです

いつかの思い違いが今日の日まで
此処にいて、其処にいて、許されてもいないで
宝石箱の中で騒いでた
あなたが夏の夢にふれるたびにドキドキしちゃうから
鼓動のグロい音がしたわたしの胸は可愛く濡れていた
白線の外とお空の珍しいムラサキ色、
鳴いてるだけのカラスの眼
めいめい巡ってるの、無味の景色を象るために
世界は今日もぐらんぐらん

あなたの歩幅に約束を感じられたら
そのとき、わたしの薔薇が赤く染まるのです
青いまま、わたしが赤く染まるのです
青い哲学に、わたしのすべてを落としてた
ただそれだけのことなんです

 

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地味目な女の子の夏の恋っていう、少女漫画のようなシチュエーションが実は好きで、そんな情景と心情にイマジネイションを広げ、書いてみました。
これも18歳ごろに書いた詩だったかな?なんか、こんなの書いてるって誰にも言えなかったなぁ。