カフェイン

宇宙の中で頭が回った
脳みそ揺れて さよならコンテンポラリー
夢に痛んで、傷付いて、
だからもうやめようって道すがら
汚い犬ころに笑われてんだ それもそうだな
明日、担える想いも無いくせに
僕の心に響かれた約束事の綺麗さが見たくて
乱れたコスモの欠片を咲かせる 悪い運命にすがった
そんな感じに生きてみた日々だった

だから今日はコーヒーを一杯飲んだ
不味いコーヒーを飲んだ
僕の青春の断片を一口飲んだ
それから自由に歩き出した
タツムリの殻に打ち出す雨の音が聞こえてた
黄昏時にコーヒーを飲んでいた

ちいさな優しさで繋ぎとめていた 糸の先っぽが
ふたつ、みっつと枝分かれしていたのをみてしまったから
くだらない賭け事のイメージに取り乱して
希望的なコロナの温度で冷ませる僕の根底を知った
そんな話に明日は笑えるかわからなかった

だから今日はコーヒーを一杯飲んだ
不味いコーヒーを飲んだ
僕の青春の情動を一口飲んだ
それから一途に歩き始めてみた
タツムリの後を付き追う僕の足が呼んでいた
黄昏時にコーヒーを、お熱いうちに……。

           *****

こちらは確か、大学生になったばかりの頃に書いた詩です。今はハンドドリップのコーヒーに凝っている日々ですが、この頃はインスタントのコーヒーを不味いと思いながら、眠気覚ましの為だけに喉に流し込んでいました。

そんな若い日々に書いた詩ですが、今読み返せばなんだか難解ですね…。
でも、なんかこれを書いた時のことはなんとなく覚えてる。新生活のワクワクと同時に、入学当初に出来た友達のグループのウェイウェイした感じに本当は馴染めなくて、どことないモヤモヤも胸に抱えていた時期。

そんな生活を、宇宙の途方もなさとコーヒーという身近なもののふたつに重ね、湧き上がってくる言葉を書き付けた感じです。
だから言葉に意味がないっていうことに意味があるような詩です。今思い返せば、合わない友人関係なんてすぐに切ればいいのに、一生懸命悶々としていた時代のことを青くていいなって思います。